北海道の家づくりデータベース
旭川エリア版(上川・留萌・宗谷)
2026年(令和8年)7月13日(月曜日)

建設業における時間外労働の上限規制の適用が開始され、今後ますます加速していくとみられている人手不足問題に対応するためにも、住宅業界の働き方改革は急務。建設関連の事業者の業務効率化を目的とした多種多様なDXツールが近年、急速に普及しているが、その事業者の業務の実態に応じて使い方はさまざまだ。自社にぴったりのツールを選んで導入するためのポイントを先行事例から探る。
石山工務店がANDPADを導入した一番の目的は、管理方法にばらつきがあった図面や各種資料を共通ルールで整理することだった。図面に変更があっても現場の業者に最新の情報が伝わらないまま施工するといった連絡ミスをなくすため、社員も協力業者も共通でANDPADの施工管理機能を使い、常に最新にアップデートされたクラウド上の情報にアクセスできるようにした。
ANDPADは1アカウントごとに月額費用がかかる。同社は現在約200アカウントを契約しており、協力業者の費用もすべて負担しているが、導入の指揮を執った現場管理部長の刈谷亨氏は「それだけの費用対効果が出ている」と強調する。
同社は現場で工程ごとに写真を撮影し、アルバムにして施主に渡す。以前は撮影のためだけに社員が現場に行かなければならなかったが、いまは日々の作業完了報告とともに最新の写真が現場からアップロードされる。
クラウド上に保管された図面を事前に工事業者に見ておいてもらえば不明点の確認だけで打ち合わせが終わり、時短につながる。また、チャット機能の確認ボタンを使えば「言った言わない」のトラブルを避けることもできる。
カワムラホームは長年自社オリジナルの工程管理ソフトを使っていたが、セキュリティ面の強化も考えてクラウドサービスに切り替えた。自社システムと共通点が多く、移行はスムーズだった。大きな違いは報告機能とチャット機能。現場の入退場だけでなく日々の現場の状況が写真付きで確認できる。毎日現場に行って確認しなくてもアプリ上で大工工事の進捗状況を常に確認しながら他の専門工事のタイミングを予定できるため、無駄な移動時間が削減された。
また、電話のやり取りに割く時間が大幅に削減されたことも大きい。システム移行を担当したリフォーム管理課の福岡守氏は、「以前は一日の大半を現場との行き来や電話連絡に費やしていたので、他の業務に使える時間が大幅に増えた」と話す。
同社はさらにオプションで引合粗利管理機能を導入している。契約した案件ごとに見積もりを登録。そこから予算を登録してアプリ上で発注を進めていくと、常にリアルタイムで原価に対する粗利益が確認できる。今後は請求のやり取りもANDPAD上に移行する。紙の発注書と請求書をつき合わせる検収作業に要していた膨大な時間が削減でき、自社と取引先の双方に大きなメリットが期待できるという。