北海道の家づくりデータベース
旭川エリア版(上川・留萌・宗谷)
2026年(令和8年)4月7日(火曜日)

大工の育成は、もう30数年前からやってきている。当時、認定職業訓練校の講師を務めていた。それから時代が変わって大工がどんどん少なくなっていくのをまざまざと見てきた。しかも分業化、細分化されて流れ作業の一コマとして大工の役割が狭められていった。その中で自分はやっぱり、家を建てられる大工を育てたいと思った。
結局、バブル経済の崩壊やプレカットの普及などの大きな節目から大工の減少が始まった。賃金が安くなり、雇用されていた大工も外に出されて一人親方になった。その頃から若い子を雇用して育てようという意識が希薄になり、余裕がないという話になっていまだに続いている。
工務店も世代交代が進み、大工経験のない後継ぎが増えてきた。大工を育てるにしてもどうしていいか分からないという相談を受けることが多い。
私は、今の時代に合った育て方が必要だと思う。まずは社員雇用。事務所のスタッフと同じように大工を社員としてきちんと迎えて、自分の会社の核になるような人を育てていくことが大事じゃないかと。そう皆さんに伝えている。
今は請負制度が常識化しているが、予算の中で仕事をすると若い大工が足手まといになってしまう。この利害関係の影響をいかに少なくするかが、担い手を育てる一つの鍵だと思う。 うちの会社は基本月給制でサラリーマン大工とし、さらに現場が終わった後に残ったお金を配当という形で分配している。入った人工数で計算をしてポイントとして蓄積し、賞与の時などに上乗せする。効率よく早く仕事を納めれば、その分お金が余るから結果的に手元に入る仕組みだ。 そこに若手が入って足手まといになるとこれまでと同じなので、三年目までの大工の手間賃は物件の予算に入れないで、会社の別予算から出している。そうして大工同士の利害関係があまり感じられないようにすることで、ベテランが若手を教えられるようになる。 あとは、程よい年代の先輩たちが並んでいるのがベストだと思うが、そこに行き着くには10年以上かかる。だから諦めないでやり続けないといけない。
中学や高校では生徒の進路指導にあたって、大工という職業を他と同じ土俵の上に並べてほしい。まだ肉体労働という感覚が根強いみたいだけれど、家づくりはそれとは違う。うちには女性の大工がいて、もう5年くらい続けている。そんな事例をたくさん作ってイメージを変えていくべきだと思う。働き方改革もどんどん進めればいい。 IEZOWORKは求人サイトというより、住宅建築業界を紹介するおもしろいツールになるのではと期待している。サイトを見たら、良さそうな工務店がいろいろ並んでいるとかね。 それから北海道に憧れて来る人もたくさんいるだろうから、道内の魅力も配信できればいいんじゃないかな。昔の大工仲間にも道外から来た人がたくさんいた。北海道は、人を惹きつけられる場所だと思う。