北海道の家づくりデータベース
旭川エリア版(上川・留萌・宗谷)
2026年(令和8年)10月16日(金曜日)

山下ホームは2024年にYUCACOシステムを導入し、注文も建売も全棟で標準仕様としている。
同社代表取締役の山下哲史氏は、導入のきっかけについて、「家づくりに差別化できるものがほしかった」と話す。そこで目をつけたのが「全館空調」だったという。
道内でも夏の気温が上昇し、冷房が必須な時代になった。しかし、全室にエアコンを付けるのは問題が多い。室外機が何台も必要だし、設置費用や電気代もかかる。一方、全館空調ならエアコン1台で済む。
さまざまな全館空調システムを検討する中で「YUCACOが一番理にかなっていると感じた」と山下氏。「大風量なので空気をきちんと家中に回すことができる。クレームも少ないだろうと思った」と振り返る。
採用を決め、同年に実際に性能を体感できる「YUCACO仕様苗穂モデルハウス」を札幌市内にオープンした。
YUCACOシステムは、住宅内に家庭用のエアコンと小型高性能DCファンを格納する空調室を設置。そこにフィルターで浄化された空気を取り込み、エアコンで温度と湿度を調整する。作られた「心地よい空気」は、DCファンによりダクトを通じて各部屋へ送り込まれる仕組みだ。
同社は空気清浄機を標準搭載しているため、さらにきれいな空気が室内を循環する。また、ベタ基礎にJ建築システム(札幌市)が開発したグリッドポストを採用。床下の通風性を高め湿気やカビの発生を抑制するもので、きれいな空気の循環に一役買う。
体感モデルハウスでは、ガラス張りの空調室で実際に作動している様子が見られる。また、実測データを公開しており、各部屋の温度と湿度がどうなっているのか、同社ホームページでリアルタイムに見ることもできる。
延床面積は134.43㎡で、間取りは3LDK+S。断熱等級6を確保し、UA値0.25、C値0.33の高気密高断熱性に太陽光発電とエコキュートのスマート電化を合わせ、電気代の大幅な削減を見込む。山下氏は「住んでからお金がかからないようにすることを考えた」と話し、外壁材も30年保証が付いた製品を標準としている。
YUCACOシステムを提供する(一社)YUCACO推進機構YUCACOビルダーズクラブ(東京都)は、新年度が始まる12月に北海道支部を創設し、山下氏が初代支部長になることが内定している。
山下氏は今後のYUCACOの取り組みについて、「既存住宅の改修に力を入れていく」と話す。年内には、ZEH+改修の戸建モデルハウスが完成予定。また、中古分譲マンションのリノベーションでYUCACOを導入する仕組みも構築中だ。2階建を平屋に減築する改修もこれから手掛けていくとする。
山下氏は、「住生活基本計画をみても、政府はストック重視の政策を打ち出している。既存改修は社会の流れ。それに沿っていきたい」と先を見据えた。