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【横顔 HUMAN2024】キクザワ 代表取締役社長 菊澤章太郎氏

【横顔 HUMAN2024】キクザワ 代表取締役社長 菊澤章太郎氏

幸せな暮らしのために家を作る

キクザワ(恵庭市)は1978年創業。地域に根差した北海道の工務店として早くから高気密高断熱に取り組み、UA値平均0.21とするなど性能を磨いてきた。一方で、建築士による一貫体制や大工の社員化を進め、「人」を基盤にした家づくりを貫いている。
今年3月に新社長に就任した菊澤章太郎氏は3代目。高校時代からキクザワでアルバイトをするなど、仕事をする父の姿を間近で見てきた。建築に興味を持ち、最初は経営を学ぼうと札幌の大学に入学したが、半年後に一念発起して愛知工業大学工学部建築学科に入り直したという。

卒業後は見聞を広げるため、愛知県内の工務店に就職し、現場監督と営業の両方を経験した。丁寧な仕事をする会社で、管理が徹底し、「自分の中にあったゆるさや甘えを痛感した」と振り返る。
3年後の2018年に帰郷し、キクザワに入社。当時は建築士の資格を持つ社長、常務、部長の3人が顧客に対応し、設計から施工管理、アフターサービスまでそれぞれのやり方で行っていた。この個々が最初から最後まで担当する一貫体制はキクザワの伝統だが、棟数が増えてくると手に余ることが出てくる。
そこで菊澤氏は、現場管理のサポートを自らの役割とし、バラバラだった仕様の共通化や工程の効率化を図った。すると、やることが減った分、社内も現場も余裕が生まれ、人が活きるという好循環ができた。その中で自身も一級建築士の資格を取得し、担当を任せられるようになった。

21年に代表取締役専務に就いたことを契機に、会社の将来を見据えて若手の育成に着手。23年から新卒採用を行い、営業も設計も一人で完結できる社員を育てている。彼らが外部の研修やセミナーに出席できる環境づくりにも力を入れている。
社長になった今、「社員の役割はお客様を幸せにすることだが、自分の役目は社員や周りを幸せにすること」と話す。スタッフに対し、成果に値する高い報酬を払うことを基本とし、働き方改革も率先して取り入れた。

「お客様の幸せ」については、住宅というモノではなく、施主の幸せな暮らしの実現を掲げている。間取りやデザイン、性能もすべて幸せな家づくりのためにある。だから、プランを提案する前段階のヒアリングや、会話のキャッチボールを大事にするようにとスタッフに徹底している。

今後についてAIの活用を積極的に進める一方、「これからの家づくりは、人間的魅力がますます求められる」と言い切る。AIは精度のよい間取りを作成できるようになっても、顧客のカウンセリングまではできない。だから若手には、「いろいろな提案ができるようになってほしい」と望む。

家族の幸せも、もちろん大切にしており、休日は幼い子どもと遊ぶ。
恵庭市出身、35歳。

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