北海道の家づくりデータベース
室蘭エリア版(胆振・日高)
2026年(令和8年)5月24日(日曜日)
(一社)新木造住宅技術研究協議会(新住協)は6月12、13の両日、「第8回北海道地区大会函館大会」を開催した。テーマは「新築&リノベで目指すQ1.0住宅Level3」。大会は2日間の構成で行われ、初日は完成現場見学会のバスツアーを、2日目は函館市内のホテルで研修会を実施。両日で約120人が参加した。
初日の見学会では、秋田建築設計事務所(北斗市)と山野内建設(渡島管内八雲町)のモデルハウスを視察した。
2日目の研修会は、基調講演として久保田淳哉代表理事が登壇。UA値の数値が単なる競争になっている現状に警鐘を鳴らし、「UA値0.2以下であっても、家が魅力のない箱では意味がない」と指摘。住まいとしての「楽しさ」や「設計の工夫」の重要性を強調した。
例として「延床面積100㎡、UA値0.2の住宅なら、1.6kW以下の暖房設備で室温20度が保てるが、それはあくまで無窓のシェルターの話」と述べ、「我々が作っているのは単なる容器ではなく、豊かな暮らしを実現する住宅だ」と語った。「例えば、窓は性能上の弱点であっても、暮らしにおいては象徴的な存在」と話し、断熱と居住性のバランスを取る設計姿勢を示した。
続く会員発表では、函館支部の山野内建設、胆振支部の須藤建設(伊達市)、十勝支部の匠創建(帯広市)、札幌支部の三五工務店(札幌市)が、それぞれ取り組みを発表した。
山野内建設は、八雲町の築40年以上の住宅をZEH化改修した事例を紹介。改修コストについて「やはり2000万円以上は必要。補助金がないと難しい」と課題を示した。
須藤建設は、築21年の平屋住宅をQ1.0住宅Level3へ改修した事例を発表。特徴として、工事過程や完成後の広報も積極的に行い、SNS発信や見学会を通じて効果的な情報提供を行った点を説明した。
匠創建は、大工約20人を自社雇用する。住宅の建設が減る時期にも対応できるよう、自社保有の賃貸アパートを建設した際の事例を紹介した。賃貸住宅においてもQ1仕様を採用し、「将来的な空室リスクを防ぐためには、長い目を持って収益性よりも性能を重視すべきだ」と提起した。
三五工務店は、築22年の自社施工住宅を買い取り、リノベーションモデルハウスとして再生した事例を紹介。暮らしやすさに焦点を当てたリノベーションを実施し、アウトドア収納やカーポート横の着替えスペースなど、現代のライフスタイルに対応した提案を行った。