北海道の家づくりデータベース
室蘭エリア版(胆振・日高)
2026年(令和8年)4月7日(火曜日)


菊澤久志氏
道内の地域に根ざす工務店や設計事務所等でつくる「アース21」(菊澤里志会長)。27周年を迎えた同会が10月14日に開いた勉強会で、旭川市や恵庭市、十勝管内の音更町などの工務店からキツツキによる住宅の被害が報告された。
自然素材を好む会員企業が手掛ける家は、木を外装材に使用する頻度が高い。そのため、キツツキの営巣の被害にあったメンバーもいたという。
恵庭市郊外にある30軒ほどの住宅街では、外壁に木を貼ることが条件となっている。その一区画にある住宅では、木外壁の四角すべてがキツツキの被害にあった(写真参照)。

キツツキの被害にあった外装材

キクザワ(恵庭市)の菊澤久志部長も、キツツキの被害にあった一人。
「家の中に居たら、コンコンという音がして、外に出てみたらアカゲラが壁を突いていた。わが家の壁は350㎜の厚さがあるが、それでも響くほどの音でした」と話す。
住宅の破損だけではなく、キツツキが連打で木を突く音は、住人にとって二重のストレスになる。
キツツキは、巣穴を作ったり餌をとったりするために木に穴をあける習性がある。キツツキが好む幼虫は枯死材に多くいる。枯れ木は、中が空洞になっているため、叩くと生木とは音が違う。住宅の壁や軒下には通気口があるため、突くと空洞の音がする。
つまりキツツキは、「乾燥している壁材などに餌となる虫がいると勘違いして突いているのではないか――」。
鳥は「鳥獣保護法」で守られており、自由に捕獲することができない。これは害獣であっても例外ではなく、都道府県知事の許可を得ずに捕獲すれば法律違反に問われる。
鳥は自由に飛んで来るため、罠を仕掛けることもできず、捕まえることもできない。ただ、来ないように工夫するしかないのだ。
同社では「テグスをぶら下げる」など、予防策が話し合われた。例えばテグスをビスに絡めてだら~んと垂らして、数ヵ所に留めて這わせるなどの防衛策だ。
実際に、菊澤部長の自宅で実践し、テグスを取り付けて以後、被害に遭わなくなったという。
科学的な裏付けは無いが、「鳥はテグスの光よりも羽根など身体に何かが触れるのを嫌がるため、近付かないのではないか」という結論に達したそうだ。
住宅に開いた穴は、そのままにしていては湿気やカビ、小動物が入り込むなどの二次被害を起こしかねない。 今回、穴が開いた箇所は、火災保険を使って補修したという。火災保険は本来、ネズミなど動物の被害には使えない場合が多いが、今回のキツツキの例では「不測かつ突発的な事故を補償する」という特約でカバーできたという。ただ保険が使えるのは一度だけで、追加で被害にあった場合には補償の対象とはならないそうだ。
サイディングや板金で壁をすべて覆えば、キツツキ被害には遭わないだろうが、最近はログハウスや山の中に別荘を建てるケースも増えている。自然環境や地域の特性を生かしながら住宅をどう守るかも、今後の家づくりの課題になりそうだ。