北海道の家づくりデータベース
釧路エリア版(釧路・根室)
2026年(令和8年)10月16日(金曜日)

全木協北海道協会は9月2日、道建設部住宅課、渡島総合振興局、北総研、函館市と連携し、「木造応急仮設住宅配置・外構計画実地訓練」を函館市内で開催した。
地元函館の工務店グループ「e-ハウジング函館」からマルサ佐藤建設(函館市)、渋谷建設(同)、山田建設一級建築士事務所(同)の3社の代表が参加した他、道内の工務店、設計事務所、自治体職員合わせて22人が集まった。
同訓練は、木造応急仮設住宅の建設用地に求められる要件や事前調査のポイントを学び、実際の建設候補地において現地調査や配置結果の検討を行うもの。候補地のリストアップ段階から敷地調査の精度を高め、災害発生時に速やかに着工できるようにすることが目的だ。指導は、建設コンサルタントの日本データサービス(札幌市)が務めた。
訓練に先立ち、道建設部住宅課の工藤大樹課長補佐が「北海道における住宅災害時の対応と応急仮設住宅について」と題して解説。25年に行った応急仮設住宅建設用地・建設可能戸数調査のアンケート結果も報告。候補地の6割がABCの3ランクのうち最も評価が低いCランクで、大規模造成が必要だったり、搬入経路がなかったりすることが判明したという。
続いて北総研地域研究部地域システムグループの石井旭研究主幹が、「災害時の渡島地域における被害想定について」をテーマに講演。渡島管内で震度7の地震が起きた場合、全壊1840棟、半壊3371棟に及び、必要な応急仮設住宅は1600棟に上ると推計されると報告した。
今回、建設想定用地としたのは根崎公園野球場で、敷地面積は5360.72㎡。ここに、北海道標準モデルタイプによる長屋を配置し、1DK、2DK、2LDKの合計35戸の建設を目標とした。また、全戸分の駐車場と物置、プロパンボンベ置場、灯油タンクに加え、共有スペースとして集会所、オープンスペース、冬場の雪の堆積場、ゴミステーション、浄化槽、受水槽、住棟案内板を必須とするなど、実際に運用可能な具体性のあるプランが求められた。
参加者は5〜6人ずつ4グループに分かれ、現地調査を実施。今回の敷地は南側が土手になっており、その高低差の確認や観客席・フェンスの取り扱いが大きなポイントとなった。
現地調査の後、研修室にてグループごとに配置計画を作成し、発表を行った。計画において重視した点として、高齢者の見守りや多世代間のコミュニティ形成への配慮、採光の取り入れ方、道路・通路の利便性などが挙げられた。
訓練後のアンケートでは、「平時における事前検討の大切さが再確認できた」、「具体例として道外の施工済配置計画を集めておくと良いと思う」、「候補地には図面から読み取ることができる情報以外に、環境や暮らしていく上での条件、地域の風習などの情報もあった方が良い」、「グループ内で専門分野によって着眼点が異なり、お互いの気づきにつながった」などの感想が寄せられた。