北海道の家づくりデータベース
北見エリア版(オホーツク)
2026年(令和8年)5月25日(月曜日)
山野内建設は2017年から「全棟ZEH宣言」を掲げ、八雲町や函館市などの道南エリアですべての顧客に太陽光発電設備を設置した住宅を提供している。山野内辰男社長は「顧客が求めているのはゼロエネルギーの家というより光熱費ゼロ円の家。エネルギー価格が上がれば上がるほど、ZEHを建てている住宅会社が求められる」と強調する。 同社の住宅はUA値0.20W/㎡K以下、断熱等性能等級7を標準としており、6畳用の寒冷地向けエアコン1台で全館暖房を行う。「函館でこれだけの断熱性能なら熱源に何を使用してもわずかな暖房負荷で十分に暖かい。ヒートポンプ機器を最も効率よく運用できる」と山野内氏。

エアコンは床下に設置することが多く、暖かい空気が建物全体に循環するように自社で設計する。各室の温度差はおおむね1~2度以内で、少し温度を上げたい部屋にはエアパスファンで暖かい空気を送る仕組み。
エアコンの暖房負荷から逆算して断熱の仕様が決まる。建物の大きさやプランによって異なるが、2×4の外壁に高性能グラスウール90㎜を充填し、フェノールフォーム断熱材45㎜厚と66㎜厚の組み合わせで110㎜以上を付加する。
この外皮性能をベースとして、屋根の大きさや形状に応じた最大限の太陽光発電パネルを設置することでZEHはもちろんLCCMの要件を満たす物件も多く、最大140万円の補助金を活用できる。
どの住宅でも発電容量10~15kWの太陽光発電パネルを搭載し、余剰電力を売電する。「売電価格が下がっても、その分発電量を増やせばいい」という考えだ。パワコンの容量は9.9kWhだが、それ以上にパネルを設置しておけば発電条件が悪い時でも安定した発電量が得られるため、過積載が基本となっている。 パネルの設置は自社施工。落雪可能な立地条件なら勾配屋根への設置も可能だが、フラット屋根への設置が多い。積雪期は発電しないが、「元々日射量の少ない冬には期待せず、たくさん発電する時期により多く稼ぐ方が重要」と割り切っている。 太陽光発電を普及するボランタリーチェーンに加盟し、中国メーカー製のパネルの共同購入やまとまった量の一括仕入れでコストを下げている。1枚あたりの発電容量が445Wのモジュールを使用し、1棟あたり平均25枚ほど、5~6棟分を一度に仕入れる。 同社はZEHアパートの新築やリノベーションも数多く手掛けているため、大量仕入れが可能だ。今後は新築戸建から高性能賃貸に需要がシフトすると考え、共同住宅でも可能な限りの太陽光発電を設置し、ZEHかNearlyZEH仕様としている。