北海道の家づくりデータベース
北見エリア版(オホーツク)
2026年(令和8年)10月16日(金曜日)

(写真右から)エコテックの今氏、クロスティホールディングスの林氏、栗山氏
建設・設備グループのクロスティホールディングス(札幌市)は、中核企業であるエコテック(同)の全拠点から排出される温室効果ガス(GHG)の量を算出し、排出量削減のロードマップを策定した。2040年までにグループ全体でのカーボンニュートラルを目指す。
世界的にGHG排出量削減に向けた動きが進む中、日本国内でも27年3月期以降、東証プライム上場企業を対象に順次、有価証券報告書でScope(スコープ)3のGHG排出量の開示が義務化される見通しとなっている。
自社が直接排出したGHGがスコープ1、自社の事業で使用したエネルギーの供給元が排出したGHGがスコープ2、それ以外に自社の事業に関連するサプライチェーン全体から排出したGHGがスコープ3。同社の主要な取引先である上場企業の大手ハウスメーカーも、サプライチェーンを構成する協力会社のGHG排出量を把握する準備を進めている。
同社の取り組みはこうした動きにいち早く対応するためのもの。道内建設業界においては先進的な事例といえる。林秀樹社長は「先んじて取り組むことでグループの競争力強化につながる」と語り、これを契機に「グループ全体で2040年までにカーボンニュートラル達成」という目標を掲げる。
GHG排出量の算定には専門的な知見が必要となる。金融機関で取引先企業の脱炭素支援に携わった経験のある経営戦略本部の栗山潤一執行役員・本部長が主導し、中小企業の脱炭素支援で実績があるエコウル(東京都)に協力を依頼。排出量算定だけでなく、それに基づいて排出量削減の具体的な道筋を描くロードマップの策定も行った。
林氏と栗山氏をはじめ、クロスティホールディングスとエコテックの両社から7人のプロジェクトチームを選抜し、昨年10月から3月にかけてエコテックの全拠点(札幌市、苫小牧市、仙台市、埼玉県川口市。今年4月開設の東京支店は除く)からGHG排出量のデータを集めた。
エコテックの今雅教社長は「拠点ごとの違いなど、取り組んでみて気が付いたことも多かった。社員が主体的に取り組んだことで、脱炭素の意識も変わってくる」と意義を強調する。
今後、エコテックを含めグループ9社全体で脱炭素の取り組みを進めていく。まずは拠点ごとの小さな省エネの積み重ねから、段階的に同社の強みである設備の省エネ強化も進めていく。林氏は「地域社会にとって持続可能な建設業のモデルを示していきたい」と語り、今後は業界向けのセミナーなどで自社の取り組みを広く伝えていく考えも示した。