北海道の家づくりデータベース
札幌エリア版(石狩・空知・後志)
2026年(令和8年)6月10日(水曜日)

北海道空知総合振興局は10月21日に「森林・林業・道産材を活用した木造施設見学会」を開催。工務店や設計事務所、製材所、自治体より51人が集まった。道産材を活用している武部建設(岩見沢市)の三笠事務所や同社が施工した施設、カラマツ山林の伐採などを見学。後半では道立総合研究機構林産試験場の大橋義徳研究主幹より「地域材をより活用するために」というテーマで情報提供と意見交換会を実施。道産材の活用の可能性やポイントを学んだ。
見学会冒頭では空知総合振興局森林室の工藤森生室長より「ウッドショックを機会に改めて道産材が注目されている。地材地消として、ぜひ道産材を活用してほしい」とあいさつがあった。
コスト面で輸入材を使用する工務店や建設会社が多い中、道産材ならではの付加価値を見つけながらコスト面でも工夫することがポイントだ。武部建設の見学では、建物の解体から得た古材も含めてどう活用するとコストを抑えられるか、デザインでも良く見えるかを事例を交えて紹介した。
同社では間伐材を使ったり、厚切りにした木材を外壁に用いたり、古材も含めて余すことなく活用している。同社社屋では建物の下部を新材、上部を古材と箇所によっても使う木材を変えることで、構造やデザインの問題をクリアしながら、古材を活用する方法も紹介された。
武部社長は「古材は百年以上経っているものもあるが、良い材木にきちんとなる。木を部材ごとに活用するのは大工の育成にもつながる」と話した。自社で工房を持ち、墨付けや切り込みをすることが大工の技術を向上させていることを強調した。
見学会では「レストランサメオト」「栗沢町キリスト教会」「宝水ワイナリー」と、武部建設が施工し、道産材が活用されている三つの施設を見学。道産カラマツ材と古材を採用することで付加価値を付けられることや、周りの風景とマッチした建物が建てられるという考えを実践した実例を紹介。参加者は外壁や内装、構造材それぞれに特徴的な活用をしている施設を熱心に見学し写真に収めていた。
長沼町では収穫期を迎えているカラマツ林で実際の伐採風景や、伐採の途中で別の木に引っかかってしまったかかり木の処理方法の実演が行われた。日常的に木材を使用している工務店でも伐採を見ることはあまりない。参加者は伐採者に質問も投げかけながら熱心に見学していた。
意見交換会は設計者から見た木造化の課題や、どうしたらもっと活用されるのかというテーマを中心に行われた。
コスト面が割高になるのが大きな理由ではあるが、他にも耐火性といった品質や供給の問題も解決されなければならないという意見が出された。
一方、公共建築物で道産材を活用している事例は多くなり始めている。「道産材を活用した建物」にいかに付加価値を付けるかが今後の活用のポイントになりそうだという声も上がった。