北海道の家づくりデータベース
札幌エリア版(石狩・空知・後志)
2026年(令和8年)6月10日(水曜日)

エコブレスは第2種換気とパッシブ換気の特長を併せ持つ第2種ハイブリッド換気に床下暖房を組み合わせたダクトレス全館空調システム。建築技術コンサルティングのから屋(札幌市)が開発し、特許を取得している。床下に取り込んだ外気を温水パネルヒーターで暖め、家中がむらなく均一な温度になるように空気を循環させる。
住まいのクワザワは今年4月から、初めてエコブレスを採用した「省エネ全館空調システムIBUKI(イブキ)」搭載モデルハウスを札幌市内で公開している。
エコブレスを採用した理由について同社設計積算課の鎌田浩司氏は「2種換気は他社との差別化になるし、空気質を適切にコントロールできる点でも優れている。エコブレスを知って、2種換気と全館空調の組み合わせがベストだと思った」と話す。
3年前から計画を進めていた中で、ガスエンジンコージェネレーションシステム・コレモの排熱だけで冬季の熱源を賄えるという説明を受け、そのために必要な断熱性能を満たしていくように、から屋のサポートを受けながら仕様を固めていった。
建築コストは同社の通常仕様で同じ規模の住宅と比較すると350万円ほど上乗せとなるが、光熱費の削減効果によってイニシャルコストの増加分を回収する。UA値0.22W/㎡K以下の高断熱仕様により冬の暖房負荷を抑え、コレモで暖房を賄いつつ発電のメリットも得られることで、北海道ガスの試算によると一般的な省エネ基準相当の断熱性能の住宅と比べ年間約14万円のガス代、電気代を削減できるという。 1棟目なので実測データの蓄積はこれからだが、試算以上の結果を予想している。モデルハウス分譲の際には居住者の協力を得て1~2年間の室温の計測値や光熱費のデータを提供してもらう予定だという。 近年は光熱費が急激に上昇しており、今後も高騰が続くとみられることから、部屋ごとに暖冷房機器を運転するよりも1ヵ所に集約した暖房とエアコン1台の冷房で一年を通じて家中を適温に保つことが暮らしのコスト削減において重要なポイントとなる。「光熱費を気にして暖房や冷房を我慢する必要がないのはお客様に対してアピールポイントになる」と鎌田氏は強調する。
モデルハウスの来場者の中で「全館空調だから見に来た」という声はまだそれほど多くない。ユーザーの関心は依然として価格や立地などが大きな割合を占めている。差別化として打ち出したIBUKIをどれだけユーザーに認知してもらい、そのメリットを訴求できるかが今後の課題となる。 他社でも全館空調に取り組む例は増えてきており、ただ全館空調というだけではアピール不足。全館空調の中でもIBUKI、エコブレスだけの強みである空気質やメンテナンス負担の少なさ、光熱費削減効果の大きさなどを伝えることが、より明確な差別化になる。