北海道の家づくりデータベース
札幌エリア版(石狩・空知・後志)
2026年(令和8年)5月24日(日曜日)
木造耐震構法のSE構法を全国展開するエヌ・シー・エヌ(東京都)は4月16日、第21回「重量木骨の家プレミアムパートナー総会」を札幌市内のホテルで開催した。重量木骨の家プレミアムパートナーの住宅会社と資材メーカーなどから合わせて147人が参加する盛況ぶりだった。
重量木骨の家は、全国のSE構法登録施工店の中から選抜した64社の工務店が「重量木骨の家プレミアムパートナー」として建築する住宅ブランド。道内はアートホームホールディングス(札幌市)の新築住宅会社「アワハウス」(同)が唯一、登録工務店になっている。
エヌ・シー・エヌの田鎖郁男社長は、2026年度方針の提案を行った。
資材価格の高騰や住宅着工数の減少といった厳しい市場環境の中で、資産価値のある住宅の具現化を改めて目的として掲げた。
同社が展開する「重量木骨の家」のプレミアムパートナーによる25年の実績では、集客数が約7%減少した一方で、構造計算を指標とした受注数は約5%増加した。平均坪単価も上昇しており、コスト上昇を上回る価値が顧客に認められていると分析する。
今後、人口減少やインフレの継続が確実視される一方、1億円以上の純金融資産を持つ富裕層世帯は増加しており、高付加価値住宅の潜在需要は拡大している。これを受け、26年の重点施策として「資産価値の証明」をテーマに据えた。
建物の価値を明確にする残価設定型ローンの活用やデザインのスキルアップ講座の実施の他、全加盟店を紹介するブランドブックを「モダンリビング」と制作し、グループのプロモーションを強化するとした。さらに、建物の価値を維持するためには企業の永続性が不可欠であるとし、創業120周年を迎えた阿部建設(名古屋市)を例に挙げた。

方針を語る田鎖社長
事例発表では、阿部建設の次期6代目を担う阿部将也専務が登壇。同社がいかにして競合他社がひしめく市場(レッドオーシャン)を脱し、独自の価値を提供する市場(ブルーオーシャン)へと転換したかを詳述した。
まず、会社のポジショニングを設定。競合の少ない建築費4000万円以上のフルオーダー住宅を目指すことにしたという。そこで同社が取り組んだ大きな改革の一つが、顧客対応における「担当一貫制」への転換だった。
従来の分業制では、営業、設計、工務の各工程で情報の乖離(かいり)が生じやすく、顧客の満足度を損なう懸念があった。これを一人の担当者が最初から最後まで責任を持って応対する体制に改めることで、顧客との深い信頼関係の構築と、細かな要望を具現化する精度の高い家づくりを可能にした。また、意匠性の向上を目的に外部の建築家とのコラボレーションを積極的に推進。受注単価の向上とブランド力の強化につながった。
阿部氏は次の100年に向け、創業家ではなく「組織で引き継いでいくことが重要」と強調。若手社員が成長できる環境をさらに整え、この先も100年続く企業を目指したいと語った。

事例発表した阿部氏