北海道の家づくりデータベース
帯広エリア版(十勝)
2026年(令和8年)5月24日(日曜日)

藤城建設(札幌市)は7月15日、本社近くの東区中沼町に新設したリノベーションモデルハウス「モエレアトリウム」を公開した。同社が今年2月に立ち上げたリノベーション専門ブランド「ウチリノベ」の2棟目となるモデル。築32年の木造軸組工法2階建を高断熱・高気密の高性能住宅に改修した。
コンセプトは「親から子へ、子から孫へ、住み継ぐ実家リノベ」。シニア夫婦が考える「孫の代まで残したい家」という設定のもと、社内コンペで選ばれた入社7年目の大橋里帆さんが設計担当、4年目の矢野玲奈さんが現場担当でプロジェクトを主導した。
床面積135.51㎡の4LDK。勾配屋根の下屋があった部分を総2階建の一枚屋根にして、2階部分は大きな吹き抜けとした。「新制度移行前の3月に着工し、大規模改修でも建築確認申請が不要だったので、床面積を増やして申請が必要な増築とするのではなく、吹き抜けにして開放感を出した」と大橋さん。
既存外壁のALC板を残したままフェノールフォーム断熱材60㎜を外張り。軸間のグラスウールも高性能品105㎜に入れ替え、床も取り替えた根太の間にグラスウール150㎜を入れ直した。
窓はすべてトリプルガラス樹脂サッシ。UA値は新築でも高水準な0.23とし、リノベーションでは数値が出しにくいC値も、元の建物に不陸がほとんどなかったため、0.83と新築に近い水準に納めた。
暖房は災害時の停電も想定し、既存の灯油タンクを生かしてFFストーブ1台で全館を暖める計画とした。2階には補助暖房にもなるエアコンを設置し、夏は1台で全館を冷房する。給湯は高効率な灯油ボイラーのエコフィールに。
さらに光熱費を削減するため、既存の第3種換気を全熱交換型の第1種換気に変更。屋根に約7kW、壁面にも約3kWの太陽光発電を搭載し、冬でも灯油ストーブを起動できる電源を確保した。
同モデルハウスは一般公開に先駆けて、協力業者向けの見学会でお披露目された。一緒に家づくりに携わる関係者とのつながりを深め、質の高い施工体制を維持していくための初の試み。 見学を終えた参加者に飲み物や軽食を用意して、川内玄太社長が自社の家づくりに対する考えを語り、「皆さんと一緒にいい施工や納まりを共有しながら家づくりに取り組んでいけば、より多くのお客様に喜んでいただける」と協力を呼び掛けた。 藤城英明会長も、現在の同社の家づくりを確立するまでの道のりを振り返りながら、「いい家を残そうという思いを一つに協力していただいている皆さんのおかげで、わたしたちの家はお客様に喜ばれている」と日ごろの感謝を伝えた。