北海道の家づくりデータベース
函館エリア版(渡島・檜山)
2026年(令和8年)4月5日(日曜日)

恵庭市の閑静な住宅街に、道が今年6月に創設した「HOKKAIDO WOOD HOUSE(HWH)」制度の認定第1号住宅が誕生した。建築したのは、自然素材を生かした住まいに定評のあるキクザワ(恵庭市)。施主の向峯聖さんは妻と二人の子どもの四人家族で、上の子の小学校入学をひかえ、「一軒家を持ちたい」という思いから家づくりを始めたという。
キクザワを選んだのは、妻の友人宅がきっかけだった。キクザワが手がけ、木をふんだんに使っており、「遊びに行くたびに、木の香りとありきたりでない間取りや空間に感動を覚えた」と振り返る。

HWH認定証と記念撮影
設計にあたって、「基本はプロに任せた方が良いと思った」と向峯さん。キクザワの担当者も、施主のライフスタイルや空気感を丁寧に聞き取り、木の温もりを大切にしたプランを練り上げる。家の中のさまざまな場所で、質感や色味などから樹種の異なる木を提案した。
例えば、書斎のワークカウンターはナラ、テレビボードはイタヤカエデ、手洗いカウンターはミズナラで、いずれも無垢材をつなぎ合わせた木目の美しい板。広葉樹の活用に取り組むひだか南森林組合から、担当者が足を運んで仕入れてきた。無垢材ながら手頃な価格で、住まいの上質なアクセントになる。
リビング・ダイニングの床は、道産材ではないがナラ無垢フローリングを使用。この家に引っ越してから、子どもたちは裸足で伸び伸びと過ごしている。妻は、「以前の賃貸では走らないでと注意することが多かったけれど、今は家中をぐるぐる走り回っている」と嬉しそう。
構造材は道南杉と道産針葉樹合板、外壁は道南杉板と金属サイディングの組み合わせ。延床面積120㎡の2階建で、道産材の使用量は15.9㎥になった。

道南杉板をあしらった外観

ナラ無垢材のワークカウンター
夫妻はHWH認定について、「制度を知らなかったし、第1号になるなんて思ってもみなかった」と笑う。道のホームページやパンフレットで自宅が紹介され、「せっかく第1号になれたので、もっと多くの人に広まってほしい。住んでみると本当に良さが分かる」と力を込める。 HWH制度は、構造材や内装材、外装材に道産木材製品を使用し、PR効果が高い戸建住宅を認証基準とする。この基準を満たしたうえで、延床面積1㎡当たり0.1㎥以上の道産木材製品を使用し、かつZEH水準に適合する住宅には、木製認定証が授与される。 認定を受けた住宅は、道による情報発信を通じて施主の安心感を高める他、道の補助制度や金融機関の住宅ローン優遇金利などのメリットがある。 道産材を軸にした家づくりを進める工務店にとっては、素材選定の確かさや施工技術を「見える化」する仕組みとして活用価値が高い。11月20日時点で、認定住宅数は15戸。2019年4月以降に竣工した物件なら、過去にさかのぼって申請できる。