1棟ごとに太陽光パネルを発注するより輸送コストがかからず、1枚あたりの単価も下がる。施工は、自社の大工が2人で1日足らずで完成する。配線は、住宅本体の電気工事を請け負う業者が併せて行う。外注費が大幅に抑えられ、日程の調整などもスムーズにできる。「すべて外注に頼んだ場合と比べて、3割程度安いのではと思う」と菊澤氏は明かす。

冬期間を考えない
キクザワは恵庭市を拠点とし、札幌市内での新築も多く手掛けている。太陽光発電の地域的な制約について、菊澤氏は「とくに工夫しなくてもいい設計をしている」と話す。 具体的には、積雪により発電量が少なくなる冬期間の発電量を計算に入れない。つまり、「冬は発電しない」という前提で光熱費のシミュレーションを行い、施主が10年前後で元を取れるシステムを提供する。そうすると、雪を落とすために屋根に傾斜を付けなければならないなど、地域や土地によって家の形状を考慮しなくても良くなる。 「太陽光発電のために家のデザインを変えるのは本末転倒」と菊澤氏。プランはあくまで施主のライフスタイルに合わせるものと言い添えた。
標準プランにする
菊澤氏は、「コストメリットが施主にとって一番の決め手」と話す。施主への提案にあたっては、まず太陽光発電が標準仕様のプランで見積もりを提出している。 標準プランで売電収入や電気代の削減について説明すると、その分のローンの支払いよりも効果の方が大きく、暮らしも豊かになるとの前提が生まれる。 「元を取れる」と一番に話すことで安心感を与えられる。そのうえに防災や環境問題、エネルギーのコストアップへのリスクヘッジなどプラスしていくアプローチを行う。 また、菊澤氏の自宅は太陽光発電を搭載しており、スマートフォンで発電状況がリアルタイムに確認できる。それを施主に見せながら、発電した電気、買った電気、使った電気の差し引きをその場で計算し、いくら安くなっていると説明する。実際の数値を目にし、理解が得られやすくなるという。



