北海道の家づくりデータベース
函館エリア版(渡島・檜山)
2026年(令和8年)4月7日(火曜日)

沼田町は「田舎暮らしの本(宝島社)」が発表した「2025年版住みたい田舎ベストランキング」で、人口5000人未満のまちの総合部門で全国2位に輝いた。シニア世代部門は1位、若者世代・単身者部門と子育て世代部門はいずれも3位。 役場内に移住定住応援室を設け、移住者をワンストップでサポートしている。住む場所から仕事、助成制度、悩み相談まで、一つの窓口で行えるのが強みだ。同室を活用して移住した人は、23年は40人にのぼった。
移住定住のための助成制度が手厚く、すぐに住める公営住宅が用意されている。また、移住者が住宅を新築、購入、改修を行う場合、奨励金が支払われる。例えば、20歳代が家を新築すると170万円、さらに子ども一人につき50万円が加算される。空き家をリノベーションした移住体験住宅も好評で、今年新たに1棟が完成する。
住んでからの支援メニューも充実。子どもの医療費は高校卒業まで無料、沼田認定こども園は無料で通える。ユニークなのが小中学生、高校生のいる世帯に、沼田町産の新米を毎年1俵(約60㎏)プレゼントしていること。食育も兼ねており、評判は上々だ。
同室担当者は、「移住者が増えると、新たな目線で新しいことが生まれる」と話す。この4月にも、地域おこし協力隊として5年前に移住してきた人により、町産米を使ったクラフトビールの醸造所をオープンするという。
役場の職員や町民がみんなで町をどうしていくか考える土壌がある。だから町に活気があり、移住を考える人にとって魅力的に映るのだろう。
奨励金で住宅を新築

新築した輸入住宅
神山真樹さんは、夫と5人の子どもと共に2022年10月に沼田町に移住した。子どもは高校2年、中学2年、小学5年の男子三人と、小学2年、幼稚園年長の女子二人。この子たちをのびのびと育てたいというのが、移住を考えるきっかけになったという。「当時、住んでいたところは学校が大きくなりすぎて。私も夫も小さな学校で育ったから、少人数制の学校に入れたいと思った」と振り返る。
移住先探しは、雑誌やネットの移住先人気ランキングで上位の市町村を訪問することから始めた。「旅行のついでに気になる町の役場に寄って話を聞くこともあった」と神山さん。その中で沼田町の評判を聞き、訪ねてみたところ移住や子育てに手厚い支援があることを知った。役場の担当者が細やかに対応してくれたことも決め手になった。
住居は当初、中古住宅の購入を検討したが、新築した方がローンが通りやすくメリットが大きいと分かった。沼田町の「住んで快適住まいる応援事業」を使えば、新築に加え土地購入に対しても奨励金が出る。さらに中学生以下の子ども一人につき50万円が支払われる。「家を建てることに憧れがあったから、制度を利用できて良かった」とうなずく。
Webサイトで見つけた輸入住宅ブランド「セルコホーム」の家を建てた。「外観や雰囲気に一目惚れした」と話し、他のハウスメーカーや工務店と比べることなく、取り扱っていた小森工務店(旭川市)に依頼したそうだ。
土地は町の中心部から少し離れたところを選んだ。子どもたちが遊んだり騒いだりするのに、隣近所に気を使うような暮らしはしたくなかったからだ。ここでも役場の職員が親身になってくれ、町が定住促進団地として整備した分譲地の一画を購入した。引っ越してからは誰の目も気にすることなく、「冬でも外でバーベキューを楽しんでいる」と笑った。