北海道の家づくりデータベース
函館エリア版(渡島・檜山)
2026年(令和8年)10月16日(金曜日)
しばらくぶりに札幌市厚別区の北海道マイホームセンター森林公園駅前会場を訪れた。7月29日にオープンしたアイ工務店のモデルハウスで取材があったためだ。混み合う時間帯を避けて夕方の訪問だったが、それにしても場内の静けさはなんとも物寂しい。晴天の休日、コロナ禍の行動制限から解放されたファミリー層はレジャーで忙しかったのかもしれない。このところ、道内の総合住宅展示場が集客に苦心しているとさまざまな折に耳に入ってくるが、こうして週末に足を向けてみると実態が肌で感じられるようだった。
そんな中、オープンしたばかりのアイ工務店のモデルハウスだけは、さすがに来場者の姿が途切れることがなかった。担当の営業マンがずらりと入り口に整列し、見学予約者を出迎えていた。
大阪市に本社を置く同社は2010年の創業以来、全国の総合住宅展示場に出展エリアを急拡大。年間売上高1300億円、受注棟数5000棟の全国大手に成長した。唯一、これまで出展していなかった本道でも昨年から市場調査を進め、主力商品「N-ees(ニーズ)」の北海道仕様「N-ees+S(ニーズプラスエス)」を開発。満を持しての本道進出となった。
同社のエリア戦略は、その地域の市場に精通する人材を現地採用し、主要な展示場を押さえて強力な営業活動を展開する。モデルハウスができる前から早くも成約者を獲得しているとも聞く。すでに道内でも、同日オープンした札幌市内2会場を皮切りに、さらに札幌市内に2会場、苫小牧、函館、旭川にも出展を計画しており、帯広も視野に入れているという。今後、北海道支社を50人体制まで拡大する予定で、年間受注棟数300棟以上を目標に掲げている。思惑通りに数字を伸ばせば、道内大手トップ5も視野に入ってくる。
道内戸建注文住宅市場は昨年から記録的な不振が続き、小紙が先月実施したアンケートでも大手・中堅20社のうち半数以上が「回復の見通しが立たない」と回答するほど厳しい状況だが、同社は「十分にマーケットを拡げる余地が残されている」と自信を見せる。もちろん地場の住宅会社にとって新たな全国大手の進出は脅威だが、その営業手法や集客手法から、低迷する道内住宅市場を活性化するために学べることは少なくないはずだ。