北海道の家づくりデータベース
札幌エリア版(石狩・空知・後志)
2026年(令和8年)9月13日(日曜日)
道内の建売住宅市場に復調の兆しが見えてきた。主戦場である札幌市を中心に、注文住宅に比べて割安感のある物件の成約が好調だ。
1~5月の全道の分譲戸建(建売)住宅の着工戸数は759戸(前年同期比5.3%増)だが、札幌市は419戸(同38.3%増)と大幅に増えている。増加傾向は下期も続くとみられ、全道の分譲戸建着工戸数は4年ぶりに増加に転じるのは確実だ。25年の1839戸を14%上回り、2100戸前後と予想する。
マイホーム需要層の最大ボリュームゾーンである30歳代のファミリー層は、注文住宅の建築費が上昇しているため中古住宅や建売住宅の購入に目線を転じている。
住宅を建てるのではなく、車のように「買う」傾向が強まっている。
国土交通省の住宅着工統計によると、25年の全道の分譲戸建の1戸当たり工事費予定額は2294万円で、持家(注文住宅)の3152万円に比べ858万円低かった。今年1~5月の累計でみると、分譲戸建は2453万円で持家はそれより872万円高い3325万円とその差は拡大している。
建売住宅市場は大手住宅会社のシェアが高い。ジョンソンホームズ、カワムラホーム、飯田グループホールディングス(3社)、ロゴスホーム、北海道セキスイハイムなどだ。北海道住宅通信社の調べによると、この7社を合わせた25年の建売住宅の建築確認戸数は661戸で全体の45%を占めている。大手住宅会社は販売物件を増やすことで1戸当たりの販売価格を下げやすい。
日本アメニティクリエイト(札幌市)の調査によると、今年1~6月の札幌市内の建売住宅の平均成約価格は4080万円で前年同期に比べ176万円上昇した。同時期の注文住宅の土地と建物を合わせた平均価格が建売住宅より高額なのは確かだろう。
札幌市内では土地の売却物件が増えているという。24年の相続登記の申請義務化後、空き家の所有者などからの売却物件が増えていると指摘する専門家もいる。
これらの土地を巡って注文住宅業者と建売業者の取得合戦が激化している。土地と建物の総額を下げるため土地代を安くしたい注文住宅業者ではなく、建築費が低く販売価格を安くできる建売業者に軍配が上がる可能性は高い。