北海道の家づくりデータベース
帯広エリア版(十勝)
2026年(令和8年)8月31日(月曜日)

北海道次世代の会は7月31日、定例会を札幌市内で開催した。同会は、設計事務所や工務店、メーカー、研究者、学生など幅広い分野の会員が集まり、建築に関する学びや体験を行っている。3ヵ月に1回程度、定例会を開いており、今回は約20人が参加した。
同会の菊澤章太郎会長(キクザワ社長)は、冒頭のあいさつで、「いろいろな人がどう生き残るのか考えざるを得ない状況にある。それをお互いに学び合って、深掘りしていきたい」と述べ、「それぞれがこの先のビジョンを広げるうえで意義がある」と呼びかけた。
第1部は、「どう生き残る?」をテーマにした全員参加のフリートーク。資材価格や人件費の高騰、新築需要の減少、ナフサショックなど住宅業界を取り巻く環境が激変する中、参加者はそれぞれの生き残り戦略や課題について活発な情報交換を行った。
ナフサショックなどの契約後の値上げリスクに対し、ある工務店は契約書に「価格調整に関する協議条項」を盛り込む工夫を紹介。一方、顧客への価格転嫁を避け、作業の内製化によって職人の稼働率を高め実質的な粗利益を確保する取り組みも報告された。
また、新築市場の縮小に伴い、親世代の住宅リノベーションや買取再販、民泊事業への進出といった事業多角化の方向性も示された。性能競争から抜け出せないと課題を挙げる工務店もあり、「大工の技術力のアピール」や「大工への気密測定結果に応じた報奨制度」など、自社の強みを磨いてモチベーションを高める施策も紹介された。
第2部では、「ナフサショック」以降の建材供給と価格動向について、メーカーおよび商社の担当者から報告がなされた。断熱材メーカーからは、供給安定化に向けた世界規模の体制整備や、価格改定における一時的な調整金の導入など、顧客負担に配慮した取り組みが示された。
建材商社の担当者は、ナフサショックによる混乱が一巡したものの輸入合板や国内針葉樹合板の価格が下がる要素は乏しく、さらに今後のセメント価格上昇が基礎工事やサイディング等へ及ぼす影響に警戒感を示した。今後は住まいのコンパクト化や平屋提案など、コストを抑えた商品企画が一段と求められるとした。
第3部では、今後の定例会の内容について会員の希望を求め、現場見学会や技術の再学習、経営視点に特化した座談会、林業など川上の産業との連携、SNSやAIの活用など、学びと交流を深めていくことが話し合われた。
厳しい経済環境下においても、異業種が緩やかにつながりノウハウを共有し合うことで、それぞれに生き残りへの確かなヒントが得られる場となっている。