北海道の家づくりデータベース
札幌エリア版(石狩・空知・後志)
2026年(令和8年)8月31日(月曜日)

(一社)北海道住宅都市開発協会(北住都、正会員38社)が5月25日に開催した通常総会で、新しい理事長に選任された竹内俊朗氏(竹内建設会長)に、道内住宅業界の課題や北住都の今後の事業方針などについて聞いた。キーワードは「既存住宅とリフォーム市場の拡大」。新築需要の減少が続く中で、新築から既存住宅販売、リフォーム工事までをワンストップで担える仕組みを道内住宅業界に普及させるため、北住都がリーダーシップを発揮する意向だ。
住宅業界は100年に一度の大転換期を迎えています。今までは新築住宅が市場の圧倒的なシェアを占めていましたが、今後は新築需要が減少し、既存住宅やリフォームに対するユーザーニーズが拡大していくと思います。新築から既築へ、私たち住宅会社は構造的な変革を求められています。 当協会の会員は地域に根づいた地元企業です。戸建住宅会社のほか不動産業者やマンションデベロッパーも加盟しています。会員同士が連携し、マンションを含めた新築から既存住宅売買、リフォームの「ワンストップ体制」を構築して事業を展開していけば、本州系大手住宅会社に引けを取らないと確信しています。
国は既存住宅取引とリフォームの市場規模を2035年までに20兆円に拡大する新たな住生活基本計画を策定しました。それを踏まえて、協会内に既存住宅維持促進流通委員会を新設しました。会員が建てた戸建住宅やマンションの売却とリフォームの情報を会員同士が共有し、意見交換などを重ねながら地元企業の強みを生かして市場拡大を目指します。まさに新築による都市開発から既築を重視した都市再生への挑戦です。さらに当協会は、国土交通省が定める「安心R住宅」の特定既存住宅情報提供事業者として北海道R住宅の普及に努めています。道産材など北海道の資源を使った既存住宅・リフォームの「北海道ブランド」創設に向けて、協会がリーダーシップを発揮したいと考えています。
大手建材メーカーが開発した「ソトダンプラス」です。従来の外壁を残したままで外断熱改修と耐震補強が可能なリフォーム工法で、脱炭素社会を目指す国の政策にも合致しています。この工法を協会として推進し、道内住宅市場への普及を図ります。そのためにも行政や関係機関、関連団体との連携強化が不可欠です。 先日、ソトダンプラスを使って改修した住宅を対象とした補助制度の創設について、道や札幌市と意見交換を行いました。住宅金融支援機構には金利優遇策の検討をお願いしました。今後は不動産業界団体とも連携していきたいと考えています。
当協会会員は関連団体の北海道都市開発事業協同組合と連携し、組合が開発した土地を購入するケースが多かったのですが、昨今、大規模な開発が可能な土地は少なくなってきました。今後は政策委員会が中心となって、会員各社が保有する土地の在庫情報を共有する仕組みを作ります。お互いに得意なエリアで受注を増やす方法を模索していきます。
協会が安定した基盤のもとで持続的な発展を図るためには組織の強化が不可欠です。新しく立ち上げた会員増強委員会を中心に、1社が1社を紹介する仕組みを作ります。それと同時に会員向けアンケート調査を実施し、協会に対する意見や要望を把握するととともに得られた結果を整理し、会員の満足度向上につなげます。 当協会が加盟する(一社)全国住宅産業協会(東京都、1700社)は、住宅・不動産業界の声を政府や関連機関に伝え、政策実現などに尽力しています。
1978年に竹内建設(札幌市)を創業、81年に法人化して社長に就任。15年から取締役会長。北住都は18年5月から常務理事、今年5月25日に理事長に就任。留萌管内苫前町出身、76歳。