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【特集】北海道の全館空調

【特集】北海道の全館空調

冷房で差別化する時代

コンフォート24 石山工務店(旭川市)

システック環境研究所(東京都)が開発したコンフォート24は、高断熱・高気密住宅向け全館空調システム。
熱源となるエアコンと温度調節した空気を送る送風ファンを一つにした「空調ユニット」から、ダクトを通じて床下空間や2階の各部屋へ空気を送る。床や天井に設置した吹き出しグリルから出る温調空気のほか、床下は床面の輻射熱も活用し暖冷房を行う。
導入に際しては断熱等性能等級6以上を推奨している。
施工性のよい空調ユニットは施工作業者による仕上がりの差を最小限にし、安定した空調性能を実現している。また、広い床面積や形状の複雑な住宅でもユニットを増設することで柔軟に対応できる。

■新たな付加価値を

石山工務店(旭川市)は2019年ごろから「コンフォート24」を採用した住宅を提供している。 同社新築事業部次長の金澤秀治氏は「導入以来、年間3~4棟のペースで受注がある」と話した。 19年当時、同社は新たなモデルハウスを企画していた。 高断熱・高気密に加え、さらに差別化を模索する中で、全館空調に取り組む他社の事例を見学する機会を得た。「そこで使われていたのがコンフォート24だった」という。 エコジョーズを用いた温水パネルヒーター暖房を採用するケースが圧倒的に多い同社にあって、全館空調はパネルヒーターを置く分のスペースが自由になる点、一つのシステムで全室を暖房も冷房もできる点が魅力だった。 金澤氏は「当時すでに全館暖房は目新しくなかったが、冷房はまだ、リビングに1台あるかどうかだった。全館冷房は大きな付加価値になると考えた」と振り返る。 また、コンフォート24はユニットや空調設計がシステム化されているため、工務店側の導入コストが小さく済むこともポイントになった。

■北海道も夏旨の時代に

旭川市も夏の暑さが長く続くようになった。同社ではこれまで、エアコンはリビングに1台、2階寝室はコンセントだけの形が一般的だったが、最近はリビングと寝室に2台設置での引き渡しが当たり前になり、さらに子ども部屋にもコンセントを用意するケースも増加しているという。 見落とされがちだが、エアコンを複数台設置すると室外機の設置場所が問題になると金澤氏は指摘する。屋根の雨だれ方向や雪庇の方向、室内機との位置関係など、実は室外機はどこにでも置けるわけではない。「コンフォートなら一つの室外機で済むし、増設もない」と利点を強調した。 また、同システムを採用した住宅に引き渡し後の定期点検などで訪れると、夏の快適性の違いに驚くという。「2階へ上がっても温度ムラを感じない。涼しいだけでなくムラがない快適性は体感するとよくわかる」と説明する。自身も自邸に同システムを採用しており、自信を持って勧めることができる。

■意匠性が入り口に

「全館空調自体を目的にした問い合わせはまだ少ない」と金澤氏。すっきりとした室内空間を希望するユーザーに暖房器具やエアコンがないというデザイン面から選ばれるケースが多いという。「コンフォートを採用する方は増えてはいるが、もう少し頑張りたいのが正直なところ。システムへの認知を広げ、モデルハウスを活用した体感型のアピールも充実させて訴求力を高めたい」と話した。

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