メディア掲載

【インタビュー】一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会 北海道支部長 蓮井 美津夫氏

【インタビュー】一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会 北海道支部長 蓮井 美津夫氏

小規模会員への支援を強化する

(一社)日本ツーバイフォー建築協会北海道支部の新支部長に5月27日付で就任した。前支部長の佐々木与三郎氏がイワクラホーム(札幌市)の代表取締役社長を退任し、蓮井氏が新社長に就任したことによる。道内は全国的にもツーバイフォー工法のシェアが高く、2019年の持家の新設着工戸数に占めるツーバイフォー工法の比率は28.5%で、全都道府県の中で最も高い。道支部の事務局長を長年務めた蓮井氏は「経営者の世代交代を機にツーバイフォー工法をさらにアピールしたい」と会員増強を図る意向だ。社員寮や事務所施設など非住宅部門の強化も視野に入れている。

工法の魅力を建築士にも伝えたい

新型コロナと共存する事業を展開

■ 増える非住宅建築

国内のツーバイフォー工法の歴史は、1974年に当時の建設省が技術基準を告示し、オープン化したことから始まります。76年に日本ツーバイフォー建築協会が設立され、78年に北海道支部が誕生しました。以来、42年間にわたって当支部は道内の住宅業界をリードしてきました。 ツーバイフォー工法の利点は断熱性や気密性が高く耐震性にも優れていることです。金物と釘だけで施工できるため在来工法に比べて扱いやすい工法と言えます。今では合板による床面の強化や面材による耐力壁など、ツーバイフォー工法の技術は在来工法にも使われています。また、壁や床のパネル化も進み、設計プランの規格化も容易になりました。札幌時計台や豊平館など北海道を代表する建物がツーバイフォー工法で建てられていることからも、この工法が北海道の風土にマッチしていることが分かります。 最近はツーバイフォー工法による老健施設や宿舎など大型の非住宅建築物が増えています。国の地域材利用促進策もあって、木造建築の大型化が進んでいますが、設計図面を描ける建築士が少ないのが実情です。今後は施工会社だけでなく建築士に対してもツーバイフォー工法の利点をアピールする必要があります。 当支部の7月末時点の会員数は正会員が43社、賛助会員は18社です。私が支部の事務局長に就任した18年前に比べると正会員、賛助会員ともにほぼ半減しました。新築住宅を手掛ける建築会社が減っていることも大きな理由ですが、ツーバイフォー工法を採用していながら未入会のビルダーや工務店が多いことも確かです。最近は経営者の世代交代が進んでいるため、若手経営者の皆さんにツーバイフォー工法の魅力を伝えたいと思います。そのためにも規模の小さい会員への支援が大切です。とくに技術面でのサポートを充実させたいと思います。

■店舗は約300棟

イワクラホームは今年で創立50周年を迎えました。ツーバイフォー工法がオープン化された74年、業界に先駆けて実験住宅を札幌市内に2棟、苫小牧市内に1棟建築して以来、長年にわたってツーバイフォー工法による住宅を供給してきました。 当社にとって経営上の節目となったのがセブンイレブンの店舗の建築です。2010年、セブンイレブンジャパン様より、それまで鉄骨造だった店舗の木造化を打診された際、当初は対応が難しいと考えましたが、先方の強い要望にお応えし、事業化しました。日高管内様似町に第1号の店舗を建てて以来、10年間に約300棟の実績を積み、今では当社の事業の柱の一つになっています。 少子高齢化による住宅着工戸数の減少によって、当社もかつてのように年間に200戸以上の戸建住宅を供給する時代ではなくなりました。新築住宅は年間売上げの約4割を占める主力事業ですが、今後は札幌圏を中心に不動産事業やリフォーム事業も伸ばしていきたいと考えています。 新型コロナウイルス感染症の影響は当社にも及んでいます。とくに札幌と室蘭にあるホテルは観光需要の減少によって前年に比べ大幅な減収になりました。夏のボーナスの減少など収入不安が高まるなかで、住宅の新築需要も低迷が続くでしょう。今後は新型コロナウイルスと共存しながら事業を進めていく覚悟が必要です。テレワークの普及で地価の安い地域に移り住んだり、リフォームで仕事に使う部屋を設けたりするニーズは間違いなく高まるでしょう。 住宅市場が縮小しても施工管理の省力化や見積書と積算の連動によって利益を確保したいと思います。

蓮井美津夫(はすいみつお)氏

実家が経営する建設会社勤務を経て87年にイワクラホームに入社。一級建築士として戸建住宅のほか社員寮や事務所施設などの大型物件も手掛けている。今年5月27日に同社の6代目社長に就任した。趣味は登山とカメラ。登別市出身、61歳。

メディア掲載 トップページへ