北海道の家づくりデータベース
札幌エリア版(石狩・空知・後志)
2026年(令和8年)5月24日(日曜日)

札幌市や近郊の土地価格の上昇が続き、「家を建てたくても買える土地がない」という住宅の一次取得層をターゲットに、建売住宅事業者が道内で販売数を伸ばしている。これに対抗するようにローコストの注文住宅を主戦場とする有力地場ビルダーも、土地を含めた戦略の一環として建売事業を視野に入れ始めた。
藤城建設(札幌市)は8月1日、分譲建売専門の新ブランド「土地が先か、家が先か。(通称・トチイエ)」をスタートした。専用ホームページを立ち上げ、自社で仕入れた土地の情報を掲載。若年ファミリー層にも手が届く価格の土地付き戸建住宅を販売する。
今年1月の公示地価では、札幌市の平均地価が前年より4・3%高く、8年連続の上昇となった。そのほか江別市、北広島市、石狩市など近郊も地価上昇が目立ち、「数年前までは500万~600万円で買えた土地が今では1000万円出しても手が届かない」といったケースも珍しくない。
住宅一次取得層の世代にとって1000万円を大きく上回る土地価格は厳しいハードル。実際に、同社でも「土地が見つかればすぐにでも建てたい」という顧客が常に一定数いる状況が続いており、その解決策として土地の仕入れと一体の建売販売を新たな選択肢に加えた。
これまで自社で土地を取得することはほとんどなかったが、4月から本格的に土地の仕入れを始め、7月末時点で47区画を確保。地域密着の土地情報を持つ不動産業者との関係構築と、トップダウンで購入を即決するスピード感が仕入れの決め手になるという。今後も常時20~30件程度の土地情報を専用ホームページに掲載していく予定だ。
同社企画部の川内玄太リーダーは「建売住宅といっても、ただ規格に沿った画一的な家は作りたくない。コストを削れる部分は工夫するが、注文住宅を本業とする工務店として、それぞれの土地に合った住みたいと思われる家を供給していく」と強調する。
社内に土地の仕入れや建売住宅の設計、販売を行う担当を置いて情報を集約。業務の効率化を図りつつ、主力ブランドである「ゆきだるまのお家」のプランニングを引き継ぎ、断熱・気密性能とローコストを両立するノウハウを生かしていく。
「トチイエ」のブランドイメージを知ってもらうために、現在、江別市萌えぎ野東にモデルハウスを建築中で、9月4日に公開予定。