北海道の家づくりデータベース
札幌エリア版(石狩・空知・後志)
2026年(令和8年)5月24日(日曜日)

藤城建設(札幌市)は6月22、23の両日、札幌市東区に完成した戸建注文住宅を一般公開した。屋根と壁面に太陽光発電パネルを設置し、NearlyZEHの基準を満たすこの住宅は、道が事務局を務めるイベント「ほっかいどう住宅フェア」で同社が出展したブースを訪れた来場客から受注したもの。同社の川内玄太常務は「都心部のイベントだから出会えるお客様もいることは新しい気付きだった」と話す。
施主は30歳代夫婦と幼児1人の3人家族。海外から移住し、札幌市内で注文住宅の新築を検討していた。冬の電気代節約を考えた結果、雪が降っても発電できる壁面太陽光発電に関心を持ち、その分野で実績が豊富な藤城建設を知ったが、移動手段が自家用車ではなく主に公共交通機関だったため、JRや地下鉄の駅から遠い同社にはなかなか足を運ぶことができなかった。
そこで札幌市中心部の北3条広場を会場に開かれた住宅フェアで藤城建設のブースを訪れ、説明を聞いて同社の壁面太陽光発電の住宅を新築することに決めたという。
住宅フェアの来場客はモデルハウスなどの来場客と違って、真剣に住宅の新築・購入を検討している層ばかりではないため、同社は積極的な営業活動の場というより体験型の展示で楽しみながら自社を知ってもらう場として出展しているが、「藤城建設を知っていて見に来てくれる方が予想以上に多かった」と川内氏。車社会の本道でも都心部のマンションに住む若い世代など最近は自家用車を持たない層も増えており、「街中でなければ出会えないお客様と出会えたことは大きな収穫だった」と語る。
完成した住宅は地下鉄東豊線の元町駅から徒歩圏内にあり、学校や公園、商業施設にも近い。北側が道路に接しており、南面に高い建物があるため、当初からの希望だった壁面太陽光パネルは西側の壁を中心に設置した。屋根に4.98kW、壁に5.40kWのパネルと、7.04kWhの蓄電池も設置。時間によってパネルに影が落ちる部分は回路を分けて設置するなど発電効率に配慮し、真冬でも1ヵ月に6000円以上の発電効果が期待できるという。 設計を担当した同社の品川佳世氏は「実際に現地を見ると南西側が開けて思った以上に日が当たっていたので、この土地を生かす形で提案し、気に入っていただけた」と振り返る。 札幌市内でも駅に近い好立地の土地は限られる中、太陽光発電を設置した住宅の提案にはより幅の広い対応力と経験値が求められる。