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竹内建設社屋 設計コンペティション

竹内建設社屋 設計コンペティション

最優秀賞が決定 受賞は若手建築家

竹内建設(札幌市)はこのほど、自社社屋設計コンペティション「竹内建設本社兼ショールーム&サテライトオフィスリニューアル設計コンペ」の最優秀賞を決定した。応募件数46件の中から、WIPstudio一級建築士事務所(札幌市)の「居心地の見える化」が選ばれた。道産カラマツ材を使用した木造フレーム架構を既存鉄骨構造と一体化させた増築案や、外壁にポリカーボネート材を使用することで採光や増築部分の軽量化を図るなどのアイデアが盛り込まれた。審査員からは美しさや機能性だけでなく、その実現性も高く評価された。

多様なコミュニケーションを醸成

全国コンペを開催

本コンペは、同社の本社オフィス(鉄骨造4階建)とサテライトオフィス(木造2階建)の改修設計デザインを募集したもので、昨年11月16日から1月31日まで行われた。 資料請求、エントリー問い合わせ件数は160件に上り、道内外から46作品が寄せられた。

竹内建設らしさを発信

社屋の改修は、建物の老朽化や社員数の増加、駐車場の不足、また、コロナ禍で社員同士の距離を取ることも必要になった背景などもあり、課題として挙がっていた。同社の竹内哲也社長は、「計画を具体化するにあたり、サテライトオフィスとの2拠点に分かれても一体のコンセプトを持って竹内建設らしさを発信できる活用法はないかと考えた」と振り返る。そのため、先入観や固定観念に囚われない発想を求め社外コンペとして全国に向かって発信するプロジェクトを起こした。

受賞作品は、「選択性」と「受容性」をキーワードに多様なコミュニケーションが生まれるワークスペースを創出。1階はショールームで、広々としたフレキシブルな空間と、打ち合わせ用のミーティングルームを設けた。
2階デスクワークスペースは現在不足している32座席分の空間を確保し、将来的に100人までの職員数を想定して、3階スタジオスペースに20座席分を拡張可能とした。

少人数で集まって自由にアイデアを話し合えるような「スクラム」というスペースも設け、シーンに応じて多様な使い方ができる構成とした。
サテライトオフィスは1階がギャラリーとカフェスペースで、地域の人が気軽に利用できるオープンな場所。2階プロジェクトルームで、デジタルデータを活用したミーティングなどに対応する。

プロジェクトの今後

増築を含む計画を採用したため必要な準備は増加した。募集時の計画からは半年程度ずれて、完成は2024年5月ごろとなる見込みだという。 同社はユーザーに対して「学ぶ×選ぶ×実現する」というコンセプトを打ち出しており、新しい社屋のショールームは「今いいだけの住宅ではなく、2030年になっても古く感じない住宅の性能をユーザーに体感してもらえる場所にしたい」と竹内社長。
同社は今回のコンペを通じて、地域工務店でも積極的に全国に向けて発信することで、多数の才能ある若手設計者から応募が集まることを示した。今後、地域工務店が自社の歴史や文化を広く発信し、新たな価値を生み出していく取組みの一つのモデルケースとなりそうだ。

設計・建設過程も価値あるものに

WIPstudio一級建築士事務所は、2021年10月に事務所登録し、翌年2月に設立された。
代表の石黒卓氏と渡部典大氏が立ち上げた。二人は北大の「都市地域デザイン研究室」で学んだ同期という。
現在はスタッフ1名を含め3人体制。建築設計、都市計画を主に行う。本拠地は札幌に置いているが、事務所は持たず、業務はリモートワークが多く、スタッフも別々の場所にいながらオンライン環境から仕事を進めるスタイルだという。

自由な提案で評価

受賞については、「よく選んでくれたなと思う。社長や会社の度量の深さを感じた」と石黒氏。「幅広い提案を求めていたところにうまくはまれたのかなという印象」だと振り返る。 今回のデザインのポイントは大きく2点あり、社員によってさまざまなスタイルの働き方ができる空間を作ることと、緑豊かで光あふれる快適なオフィス環境を作ること。 これらを設計するにあたり、今回のコンペの自由な条件設定が生きたという。「例えば『〇〇スペースを〇〇㎡設けること』のように言われると、自由な使い方の提案はなかなかしづらい」といい、もし細かく要件や条件があったとしたら、「私たちのような提案はできなかっただろう」と語った。 増築案については、「同社はいろいろな部署が協働して一緒に家づくりを行っているが、従業員が増えたことでその企業風土が失われてはもったいない。現在の一体感をそのままに本社として必要な機能を補う最もよい形は空間を拡張することだと考えた」と明かした。

過程も学びの機会

応募要件には「生活者が学ぶ×選ぶ×実現するショールーム」「従業員が学習×共感×成長するオフィス」という二つの文言があった。「会社としてやりたいことがそこに表れており、私たちもこのコンセプトに応えたいと思った」と渡部氏は振り返る。 リニューアルされた建物だけでなく、設計や建設の過程も同社にとって価値のあるものになるように意識して提案を行った。設計や建設の過程をオープンにし、アーカイブとして残していくことで、従業員の学びや共感、成長に役立てるほか、ユーザーにも一部を公開することで同社の特徴や技術を知ってもらい、企業価値の向上につなげる。

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