北海道の家づくりデータベース
札幌エリア版(石狩・空知・後志)
2026年(令和8年)5月24日(日曜日)

外張り断熱工法を採用する道内の工務店グループ、ソトダン21(髙橋広明会長)は3月18日、現場研修会を開催。竹内建設(札幌市)の「西岡リノベーションモデルハウス」と、J建築システム(同)の「Jプラザ1〜3号館」を見学した。
西岡リノベーションモデルハウスでは、監修を担ったアールコンサル(同)の井上望社長が解説を行った。経済産業省所管の「2025年度 既築住宅のZEH改修実証支援事業」に採択されたもので、国の支援を受けた高度な省エネ改修のモデルケースとなっている。
築42年の混構造住宅をベースに、外断熱工法「ソトダンプラス」や樹脂トリプルサッシを採用。さらに上部構造評点1.0を目標とした耐震補強や、エアコン1台での全館空調、HEMSの導入など、断熱、耐震、動線、収納をトータルに見直した「終の住処」として再生した。断熱等級は施工前の等級1(UA値0.89)から等級6(UA値0.28)へ大幅に引き上げられている。
井上氏は、かつてのリノベーションが「1981年以前(新耐震基準適用前)」の建物を対象としたスケルトン改修中心であったのに対し、現在は「1993年以降」の物件が市場の主流になりつつあると指摘。構造が健全な物件が増える中、これからの事業者に求められるのは「壊すこと」ではなく、建物の状態を正しく見極める「診断」と、どこまで直すべきかを導き出す「判断」であると強調した。
同モデルでは、赤外線カメラ等を用いた断熱診断に基づき、最適な改修範囲を特定するプロセスを可視化している。井上氏は「寒い原因を特定し、最小限の介入で最大限の効果を生む『見立て』こそが、顧客が求めている価値である」と述べ、一律の性能向上ではなく、診断結果に基づく提案の重要性を説いた。
また、難解な理論よりも「暖かくなり、光熱費が下がる」という実利を分かりやすく伝えることで、ストック住宅の利活用を加速させていくとした。
これからのリフォーム・リノベーション事業は「判断産業」になると提起する井上氏の解説に、参加者たちは熱心に耳を傾けていた。
Jプラザでは、J建築システムのスタッフらが1号館から3号館まで順に案内した。Jプラザは社屋や研修施設として使用されており、同社の開発商品が見られるモデルハウスの役割も担っている。
研修室では主力製品やサービスの解説が行われ、開口部の耐震性を強化する「J―耐震開口フレーム」、耐震・耐久性に優れた「耐圧版式グリッドポスト基礎」、住宅性能を実測化するJIS取得の「JJJ断熱診断」が紹介された。
JJJ断熱診断は、赤外線カメラと無線センサーでU値を自動で算出し、光熱費をシミュレーションする診断ツールで、西岡リノベーションモデルハウスで採用している。