北海道の家づくりデータベース
札幌エリア版(石狩・空知・後志)
2026年(令和8年)4月7日(火曜日)

東証上場を果たし、年5000戸を目指す
ロゴスホールディングス(帯広市)は6月28日、東京証券取引所グロース市場に新規上場した。注文住宅事業を柱とし、グループにロゴスホーム(帯広市)、豊栄建設(札幌市)、GALLERY HOUSE(宇都宮市)の3社の住宅会社がある。3社を合わせた戸建住宅の引き渡し戸数は2024年5月期で初めて1000戸を超え、過去最高になるという。新築住宅着工戸数の落ち込みなど厳しさを増す住宅市場において、成長し続ける同社の池田社長に新たな施策について話を聞いた。
上場の効果は信用が第一。上場企業になることによって「分かりやすい信用」が付いてくるので、お客様に家を売るときや人を採用したりするとき、そしてM&Aを行う際も重要になってくると思います。
今後、一番力を入れていきたいのが地域工務店とのM&A。これまでにも幾つか話はあったのですが、やはり北海道の未上場のグループに入るよりも上場企業の一員になるほうが、先方の会社の経営者も社員の方々にも安心していただけると思います。
2030年までに戸建住宅で年間5000戸を目指しています。今の組織で約3000戸、M&Aで約2000戸のイメージ。ですので、年間200戸ほど供給している会社を10社くらいグループに入れたいと思い、検討を進めています。 手を組みたい工務店の基準としては、その地域のトップシェアクラスというのが一つ。それから、これまでお客様から信頼されて、良い家づくりをしてきていること。業態でいうなら建売より注文の比率が多いこと。注文住宅に主軸を置いていきたいので。まず東北や北陸を想定していますが、日本全国で考えています。
地域特性や家づくりのこだわりといったものは、長年地元で受け入れられてきてシェアを伸ばしてきた部分ですから、そこはそれぞれ残していきます。共有するのは資材の仕入れ、土地の仕入れ、社員同士の交流など。オリジナリティは尊重して、できる部分でサポートし合い、一緒に成長していけるグループを作れればと思っています。工務店単独では、これから厳しくなっていきますから。住宅を取り巻く環境の変化が大きく、例えばウッドショックやコロナ禍。私たちも価格転嫁のノウハウや値上げのタイミング、オンライン導入など試行錯誤を繰り返して進めてきたのですが、さまざまな人や情報を共有できたらもっとスムーズに対応できたのではと思います。それから法改正。法律や補助金制度が目まぐるしく変わっていく中で、情報を取得してきちんと対応するのはコストも時間もかかります。 私は、販管費および一般管理費を少なくすることが非常に大事と考え、他の上場企業に比べてもかなり抑えています。結果として住宅の販売価格が安くなり、優位性を生み出すことにつながっています。 地域工務店は、作っている家は素晴らしいのですが、生産性が良くないところがあると思います。粗利は出ているのだけど、利益がなかなか残らないという会社が多い。そこが課題で、生産性を上げるためには社内にDXをどんどん取り入れていく必要があります。これからは、人を増やすよりもデジタル技術を活用して、いかに生産性を上げていくかに舵を切るのが大切。そうしたDX支援事業もグループを通して行っていきます。
ますます職人が不足していく中で、どうやって職人に頼らないで家が作れるようになるかが重要になリます。そこで今進めているのが、木造モジュール住宅です。モジュールとは部品のことで、あらかじめ工場で壁や床を組んだ箱に、窓や電気配線などを設置した状態で現場に運びます。大幅にコストが削減でき、工期も短縮、生産性が上がるため職人さんの労働環境も改善できます。私たちはこの工法を「MCB工法」と名付け、現在特許を出願中です。モジュールの加工組み立て工場が苫小牧市にありますが、今後は東北や関東にも工場を建設し、全国に広めていきたいと思っています。また、これまでとは異なる集客チャンネルを作ろうと、異業種とコラボレーションしたモデルハウスの建設を進めています。「&HOUSE(アンドハウス)」というブランド名で、家具・インテリアのunico(ウニコ、東京都)やアロマ空間デザインの@aroma(アットアロマ、同)、とみおかクリーニング(根室管内中標津町)の3社と提携しました。それぞれのモデルハウスで、その企業が大切にしている世界観をうまく表現できれば、その世界観が好きなお客様を取り込めます。新しい集客スキームになるのではと期待しています。
今、営業所が道内、東北、北関東に29拠点あるのですが、3年で50拠点に増やしたいと考えています。関東周辺や東北、北陸の地方都市など、郊外で戸建住宅が注目されやすいエリアに出店していこうと。まだ具体的ではないのですが、そのエリアで任せられる人が採用できたり、育てられたりしたら、そこに集中的に店舗を作っていく流れです。 店舗はコンビニを改装したような建物でショールームを作り、近くに売却型のモデルハウスを建てるのが出店の基本形です。そうして店舗が幾つかできたエリアに、北海道クラシアム(ロゴスホームと豊栄建設が運営する札幌市内の体験型ショールーム)のような自社展示場を作り、各店舗で共有する形がいいと思っています。いずれは全国での拠点展開を視野に入れています。
1967年帯広市生まれ。一級建築士。個人設計事務所、大手ハウスメーカーでの勤務を経て、03年に創業メンバーとしてロゴスホームの経営に参画。06年から21年まで代表取締役。20年にロゴスホールディングスを発足し、代表取締役社長に就任。現在に至る。24年6月、東証グロース市場に新規上場。

東証グロース市場 上場セレモニー