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【特集】「大相続時代」をチャンスに

相続ビジネスが活況だ。ここ1年で、金融機関の相続・遺言信託業務効率化を支援する「相続相関図作成支援サービス」や、大手金融機関が連携した相続手続き一括サービスが始まるなど、相続関連の需要が高まっている。一方、住宅事業者がこの分野を自社の受注機会にどうつなげるかは、多くの工務店・ハウスメーカーにとってまだ手探りの状態だ。相続関連事業を通じた取り組みを進める現場や専門家の話を通じて現状を読み解いた。

「相続セミナーで機会創出・認知拡大」 竹内建設(札幌市)

竹内建設は、6年前から相続に関するセミナーを継続的に開いている。地域の潜在的な顧客から不動産売買を受注するきっかけとなる地道な取り組みは、静かに浸透してきている。 同社でこの分野を担うのがERA不動産事業部の小泉延行氏だ。相続診断士・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター等の資格を持ち、大手信託銀行では不動産仲介や遺言信託の実務を担ってきた。2020年の入社以降、これまで培った経験を活かし、不動産相続の相談窓口として担当している。相続をめぐる専門的知識を住宅業界で語れる数少ない人材として、同社の相続対応の基盤を担う存在となっている。

小泉氏は「相続する方向け」と「相続される方向け」の2種類のセミナーを、同社社屋にて月5回のペースで開いてきた。2026年度からは、清田区の「清田区民センター」や中央区の「道民活動センター(かでる2・7)」などでも開催を予定し、顧客との接点拡大を図っている。累計参加者は現時点で延べ100人超となる。

セミナーは少人数で、密な会話ができる環境が通例だ。大規模な集客施策とは一線を画すが、小泉氏はそれでも継続する意義についてこう話す。「自分自身が経験した相続事例を相続の事前準備として参考に聞いてもらえるのが強み。また、当社が新築やリフォームに加えて、不動産相続にも積極的に取り組んでいることの認知度も高まっている」。
相談内容は空き家の活用方法や遺言書作成の相談にとどまらず、兄弟間の不動産トラブルといった法的対応が必要なケースに及ぶこともある。その際は司法書士・行政書士・税理士など外部の士業専門家との連携で対応する。専門性を要する案件を引き継げる出口を確保していることが、継続的な運営の支えになっている。
こうした地道な取り組みの成果として、相続相談から不動産売買の成約につながる案件も、徐々に増えてきている。「遠隔地の実家を売却したいなどの相談が入っている」(小泉氏)。

現在、相続セミナーを継続開催する住宅事業者は、まだほとんどないのが現状だ。竹内建設の取り組みは、相続を接点に、地域住民との関係を長期的に積み上げる試みとして、同業者の先を行く実践となっている。加えてセミナーの継続は、受注機会の創出だけでなく、会社そのものの認知拡大にも機能している。

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